Patterns in Nature
《Patterns in Nature, Peter S. Stevens, 1974》 自然の中でみられる、形の魅力、不思議なパターンの本質を探る一冊です。 シャボン玉、脳のしわ、キリンの縞模様など、広く集めたたくさんの事例を写真で紹介しながら、生命のデザイン原理をていねいに解読しています。 白揚社から日本語訳『自然のパターン―形の生成原理』が出版されています。 以下、『SIGNAL - A WholeEarth Catalog』の142ページに掲載されている、Steve Baer による書評です。 ...................... たくさんの写真と明確で簡単な文章、さらに時より数字で構成されているこの本は、自然の謎に迫っている。私は、未研究分野へのルートが、これ以上複雑である必要はないと思っているのだが、この本のように「成り立ち」を示すことができるガイドはごく僅かである。 私はこの本を読むことがとても楽しかったので、この本を5倍の厚みにしたいと思っている。この本は8つの章で構成されている: 1. Space and Size 2.

How to see
《How to see, George Nelson, 1977》 ネルソン・クロックなど数多くの名作を生み出した家具デザイナー、ジョージ・ネルソンの著書『How to see』。身のまわりのモノの見かたを説いた名著です。 以下、『SIGNAL - A WholeEarth Catalog』の185ページに掲載されている、Richard Kadrey による書評です。 ...................... どれくらいの人が自分たちの身のまわりをしっかりと見ているだろうか? 私たちは、身のまわりの世界の大部分を選別するために、自身を訓練してきた。汚染、看板、ホームレスの人々など。『How to see』は、目の前の世界を正しく再発見するための本である。数多くの美しく、そして時に邪魔な、私たちの日常生活のイメージやカタチを再発見することができる人工風景の写真(今日私たちが住んでいるほとんどの場所)、ネオンサインから教会の天井まで、看板からコインまで、抽象表現主義者の彫刻から消火栓まで。私たちがこの世界に住んでいるのなら、それを見ることができる

The Artist's Silkscreen Manual
《The Artist's Silkscreen Manual, Andrew B. Gardner, 1976》 昨日に続き、アート・デザイン系の本の紹介です。 今回は、シルクスクリーンのマニュアルです。 以下、『SIGNAL - A WholeEarth Catalog』の65ページに掲載されている、Susan Edwards による書評です。 ...................... 著者のGardner氏は、材料選びから、フレームの組み立て、スクリーンの引き伸ばしと準備、スキージー選び、ステンシルの作成方法の決め方までを、わかりやすい線画と多数の写真を用いて、順を追って読者に紹介している。また、使用可能なインクと、含まれている化学薬品,用途の完璧な説明も記載されている。ナイフカット・ステンシルとフォト・ステンシルの技法に関しては、十分なイラストと有益なトラブル解決策で徹底して説明している。この本は、私が5日間の研修会で習った以上のことを教えてくれた唯一のシルクスクリーンの本である。 [Susan Edwards] 《SIGNAL -

Printmaking
《Printmaking, Saff and Sacilotto, 1978》 Printmakingを直訳すると「製版」となりますが、「製版」とは、印刷をするための版をつくることをいいます。 この本は、一冊まるごとPrintmakingといった感じのボリュームがあります。サブ・タイトルに - History and Process - とあるように、Printmakingの歴史と工程が半分ずつの割合で紹介されています。 以下、『SIGNAL - A WholeEarth Catalog』の65ページに掲載されている、Turner McGehee による書評です。 ...................... 私は、この本について、すべてのプリントメイキング(製版)・メディアを集結させた最高の本であると言っていたが、そうではない。これはプリントメイキングに関する最高の本である。Printmaking : 歴史と工程には、凸版(例えば、木版)、凹版(銅版と版画)、シルクスクリーンとリソグラフィ(石版刷り)の章がおさめられている。これらの内容は、私が

Art Forms in Nature
《Art Forms in Nature, Ernst Haeckel, 1998》 エルンスト・ヘッケルによるドローイング集です。ダーウィンの進化論に基づく独自の「一元論」思想家として知られているヘッケルですが、生前に数多くの生物の図画を残しています。彼の作品を見ていると、機能的にデザインされた生物の形態の美しさを再認識させられます。
深海生物をはじめ、植物、陸上動物の図画が多数収録されています。 → この本を買う 以下、『SIGNAL - A WholeEarth Catalog』の15ページに掲載されている、Kevin Kelly による書評です。 ...................... 自然界における構造の可能性を示している。19世紀のドイツの生物学者によって、ほぼ幻覚的な色鮮やかさをもつ海生の微生物が例示されている。ここに示されている地球(外)生命体の過剰なおびただしさは、SFファンタジーにはまだ匹敵していない。 [Kevin Kelly] 《SIGNAL - A WholeEarth Catalog, pp.15, 1988》

Help for the Small Museum
《Help for the Small Museum, Arminta Neal, 1987》 ディスプレイ用什器の設計と施工のしかたを紹介した本です。分かりやすいイラストと、簡潔な文章で、什器を作ったことがない方でも容易に理解できるように構成されています。ここで紹介されているつくりかたは、ディスプレイ用以外の什器にも応用できると思います。D.I.Yに興味ある方は必見の一冊です。 →この本を買う 以下、『SIGNAL - A WholeEarth Catalog』の64ページに掲載されている、Gordon Ashby による書評です。 ...................... シンプルで低コストの展示会やディスプレイの製作に関心をもつ人たち向けの、わかりやすくて、素朴な、漸進的な手引書である。その名も、『Help for the Small Museum』。メディア番組の視聴者や、物語の技術、もしくは想像力に富んだ技法に関心をもつ人にとっては、大した情報は載っていなかもしれないが、おそらく新手の本だと思う。いい感じの本なのだ。 [Gordon

The Glass House
《The Glass House, John Hix, 1974》 1974年に出版されたグリーン・ハウス(温室)のデザインに関する本です。とにかく多い図版は、読者の理解を助けてくれます。 20世紀前半のデザインに関する記述が多いのですが、下の書評にあるように、「今使われているデザインの知識は100年以上前から知られているものである」とのことなので、現在でも有益な知識にあふれている本だと思います。 以下、ネクスト・ホール・アース・カタログの185ページに掲載されている、J. Baldwin による書評です。 ...................... Glass Houseとは、”グリーン・ハウス(温室)” のことだ。一般的に、植物には、人間よりもはるかに、生活環境の高度な管理が必要になる。そのため、園芸家が、建築家よりも人工的な気候について詳しく知っていることは驚くことではない。この見事な本で明らかになったことは、ソーラー・ハウスと ”生物圏” の設計に必要な知識の多くは100年以上前から知られていた、ということだった。また、いくつかの屋内農

The First Humans
《The First Humans, Goran Burenhult, 1993》 『最古の文字なのか?- 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く』(ジェネビーブ ボン・ペッツィンガー、文藝春秋、2016年)という本を最近読みました。 人類がいつ言語を獲得し、文字を使い始めたのか? というのがこの本の主なテーマなのですが、330万年前に石器を使用していた形跡があることや、我が身を飾るという行為はいつから始まったのか、といった現人類が当たり前に行っている行為の起源などの情報が豊富に納められています。ご興味ある方はぜひチェックしてみてください。 ちなみに、国立科学博物館では『ラスコー展:クロマニョン人が残した洞窟壁画』が開催中です。 以下、ミレニアム・ホール・アース・カタログの40ページに掲載されている、Peter Warshallによる書評です。 ...................... ヒト上科の専門的な寸描と豪華な図版が載っている。この本は最高のアメリカ歴史博物館だ。霊長類の出現から紀元前10,000年までにおける、「痕跡(eviden

Flowering Plants of the World
《Flowering Plants of the World, Vernon H. Heywood, 1993》 美しいイラストがとても印象的な顕花植物(花を咲かせる植物)の図鑑です。表紙デザインも素敵で、インテリアとして飾っても華があります。 以下、ミレニアム・ホール・アース・カタログの43ページに掲載されている、Peter Warshall による書評です。 ...................... 突き詰めていくと、多様性を楽しむには植物デザインの深い知識が必要になる。200の科にまとめられた顕花植物(そのほとんどは熱帯)は、約250,000種におよぶ。この本では、200の科を最低限の分類学用語を用いて順に紹介している。こすると香りが出るガイドができるまでは、地球で最も身近で、1.2億の開花する植物の最も美しい入門書である。 [Peter Warshall] 《THE MILLENNIUM WHOLE EARTH CATALOG, pp.43, 1994》

Erotica
《Erotica, Charlotte Hill & William Wallace, 1992》 《EroticaⅡ, Charlotte Hill & William Wallace, 1993》 世界のセクシャル・アートを紹介している一冊。上巻、下巻の二冊あります。日本からは「春画」が取り上げられています。 国や地域によって対象物の捉えかたが異なるので、それぞれの差異を比較するのも面白いですね。 以下、ミレニアム・ホール・アース・カタログの198ページに掲載されている、Patrizia Dilucchio による書評です。 ...................... この本では、2000年間の人類の表現物のうち、性的なインスピレーションを受けたアートと文学を対象としており、時系列ではなく、イマジネーションのカテゴリ別に配置されている。この本には、とりわけ、「voyeurism」「the awakenings of first desire」「dark fantasy」、「taboo」といったセクションがあるのだが、暴力や不名誉な描写は編集
